塩田 昌弘 氏
国土交通省大阪航空局長

昨年の関西地区における最大のニュースは大阪・関西万博でした。開幕前の不安を吹き飛ばす大成功。これは関係の皆様の多大なご努力の賜物であり、深く敬意を表したいと思います。
航空分野においても、関西国際空港のターミナルリノベーション、神戸空港における国際チャーター便の運航、新たな飛行経路の導入など、多くのことが実現しました。これらも関係者のご理解・ご協力あってのものであり、改めまして厚く御礼申し上げます。
ご存じの通り、日本で初めての万博は「大阪」で行われましたが、航空分野ではどうでしょうか。
〇ターミナルビル
「関西国際空港」において、初めてウォークスルー型の免税店が誕生。
〇保安検査
スマートレーンについて、国際線の初導入は「関西国際空港」の第2ターミナル、国内線では「大阪国際空港」でのトライアルが第1号。
〇BCP(業務継続計画)
空港のBCPを初めて策定したのは「関西国際空港」。
国土交通省は、「関西国際空港」の台風災害を契機に、空港BCPの考え方を示した『「A2-BCP」ガイドライン』を策定。同ガイドライン中のB-Plan(基本計画)、S-Plan(機能別の喪失時対応計画)は「関西国際空港」のBCPの考えがベース。
〇SAF(持続可能な航空燃料)
コスモ石油の「堺」製油所において日本初のSAF量産プラントが稼働。2025年度以降、国内エアラインへの供給開始に伴い、日本国内で初となる国産SAFサプライチェーンの構築が実現。ENEOSグループは、SAF供給に向け「和歌山」製造所の運転開始に係る取り組みを推進中。
〇空飛ぶクルマ
「大阪・関西」万博において、半年にわたり、同じ場所で国内外複数の機体を広く一般公開。(これは世界初)
このように、航空分野においても、関西が先陣を切っている取り組みがいろいろとあることが分かりました。また、「関西3空港懇談会」のような自治体、経済界、空港関係者が一体となった枠組みも初めてであり、国内唯一です。
大阪・関西万博は惜しまれながら閉幕しましたが、大屋根リングなどのハードなレガシーに加え、万博を契機としたイノベーションの萌芽が社会実装されるようなソフトなレガシーを残していくことが必要、とされています。では、航空分野においてはどのように対応するか。
昨年、訪日外国人が初めて4,000万人を超えるなど、今後も航空需要の増加が見込まれる一方、空港業務の持続的発展に向けては人手不足、激甚化する自然災害、脱炭素など様々な課題を克服する必要があります。 次なる目標である「2030年前後を目途に、3空港全体で年間50万回の容量確保」の実現と併せ、上述の課題に対しても関西3空港が率先して取り組みを進め、日本だけでなく世界の空港のお手本となることが期待されます。フロントランナーは厳しい役回りですが、関西3空港にはその実力があります。大阪航空局としても、地域の皆様や関係機関と連携しながら全力で取り組んで参りたいと思います。世界最先端の空港実現に向け、皆様とともに歩みを進めることを楽しみにしております。