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各界の声

大阪・関西万博閉幕後の次のステージへ

保田 亨 氏

新関西国際空港株式会社 代表取締役社長

 弊社が2016年4月に関西国際空港及び大阪国際空港(伊丹空港)の運営権を関西エアポート株式会社へ引きついでから10年が経過します。その間、日本初のコンセッション方式による空港運営を手探りながらも両社で協力して、2018年台風21号の被害や、新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延といった試練も乗り越えて参りました。そして2025年、関西国際空港は世界各国や国内から多くの旅客をお迎えし、国際線の外国人旅客数2,173万人、国際線旅客数2,753万人、総旅客数3,410万人といずれも過去最高を記録するまでになりました。両空港の運営及び発展に日頃よりご協力を賜っている皆様に厚くお礼申し上げます。
 さて、昨年4月の大阪・関西万博の開催に先立ち、関西国際空港では、万博のファーストパビリオンとして十分な役割を果たせるよう、関係者が連携して取り組み、二つの大きな変化がございました。まず、空港の「顔」である第1ターミナルについて、1994年の開港以来初となる大規模リノベーションを国からの支援も受けて実施しました。国際線エリアを拡張し、利便性と快適性の向上を目的として、保安検査場の集約とスマートレーンの増設、国際線コモンラウンジの新設などを行い、昨年3月にグランドオープンしました。次に、同じく昨年3月に、国や関係自治体の方々のご理解とご協力のもと、年間発着回数30万回の実現と万博に向けた万全の体制の整備のために、新飛行経路の運用が開始され、1時間あたりの処理能力が従来の45回から60回へと大幅に向上しました。
 おかげさまで、万博開催期間中は円滑な空港運用ができ、世界各国の多くのVIPにも関西国際空港や大阪国際空港をご利用いただくことができました。
 この間の空港運営サイドとしての取組みや貴重な経験は、関西国際空港にとっての万博のレガシーといえると思います。
 そして今、さらなる発展に向けて、新たな取り組みも進んでおります。
 本年4月1日より、第2ターミナル(国内線)において、搭乗手続きのセルフ化に向けた整備や搭乗待合エリアの拡張が行われ、供用が開始されています。さらに本年夏には、第1ターミナルのリノベーションの最終フェーズとして、国際線商業エリアが拡張されます。国が導入を進める日本版電子渡航認証制度「JESTA」や、外国人旅行者向け免税制度の見直し(リファンド方式)といった動きにも対応し、国際旅客がより円滑に日本へ入出国できる環境づくりをいたします。万博で高まった「関西」の訴求力を活かし、国際線ネットワークのさらなる多角化にも取り組みます。国際貨物地区においても、貨物施設の拡張・改修、デジタル化の推進、施設の効率的配置等に向けたプロジェクトが始まっております。
 足元では国際情勢の影響を受け、国際旅客需要が伸び悩んでおりますが、長期的には増加が見込まれますので、今後もなお一層、騒音防止に向けた環境監視のほか、2023年12月に国土交通省の認定を受けた脱炭素化推進計画に沿って脱炭素化の推進等にもしっかり取り組んでまいります。
 ワールドマスターズゲームズ2027関西や2030年のIR開業などを控え、関西、日本の観光やビジネスを支えるゲートウェイとしてさらに発展すべく、弊社は、これからも関西エアポート株式会社をサポートし、関係者と連携しつつ、両空港の設置管理者として今後も力を尽くしてまいりますので、関係者の皆様のご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 なお、万博は閉幕しましたが、国内外のパビリオンのご協力により、関西国際空港、大阪国際空港、神戸空港の関西3空港には、13点もの展示物や作品が順次設置されていますので、ぜひ空港をご利用の際は探してみてください。

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