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航空空港研究レポート

-学識者による研究レポート-

地域空港における二次交通の機能強化に向けた自治体の役割
-兵庫県但馬空港のケース-

横見 宗樹 氏

近畿大学 経営学部

毛海 千佳子 氏

近畿大学 経営学部

1.はじめに

 筆者らは、本誌2024年9月号において、地域空港の利用促進に向けた自治体支援のあり方を検討した。地域空港が直面する厳しい環境を踏まえたうえで、兵庫県の但馬空港を事例に地域空港に対する公的支援の方向性を考察した1)。こうした課題を引き継ぎ、本稿では地域空港における二次交通2)に焦点を当てる。
 折りしも、但馬空港では、航空便と接続しない時間帯の路線バスが2024年のダイヤ改正により減便された。路線バスを除けば公共交通として利用できる二次交通手段はタクシーに限られており、移動における選択肢が更に縮小される結果となった。地域活性化の要となる地域空港を十分に利活用するうえでは、空港本体に対する支援のみならず、その利活用を左右する二次交通についても十分な整備が求められよう。
 そこで、まず但馬空港の概要を述べたうえで、その二次交通の現状と新たな取り組みについて、地域住民と観光入込客それぞれの視点から整理する。そのうえで、これが地域の政策としてどのように位置づけられているのか、地元自治体による「地域公共交通計画」を手がかりに確認する。これにより、二次交通の機能強化における自治体の役割を明らかにすることを目的とする。

 1) 毛海・横見( 2024 )。

 2) 本稿では、広域的な幹線輸送を担う航空や鉄道の拠点(空港や駅)から最終目的地まで、またその逆方向の移動を担う交通手段を「二次交通」と定義する。



2.但馬空港の設立から現在までのあゆみ

 但馬空港は、但馬地域(兵庫県北部)3)の高速交通空白地解消を目的に1994年に開港した空港である。開港当初から、日本エアコミューター㈱(JAC)が但馬-伊丹間を結んでいる。現在、JACは、但馬空港ターミナル㈱(TAC)所有のATR42(48人乗り)1機の無償貸与を受けて4)、同路線を1日2便(朝夕2往復)で運航している。但馬空港は、2015年にコンセッション方式で民営化された全国初の空港である。開港当初からターミナルビルの運営者であったTACが、ターミナルビルとあわせて、空港基本施設や駐車場等の運営権を兵庫県から売却額ゼロで譲り受けた「混合型」として民営化された5)。TACの事業期間は5年間とされており、現在は3期目である。
 但馬空港は、利用促進に向けて、周辺環境の変化や空港の機能制約などによる多様な課題に直面している。環境変化については、開港後の高速道路網の整備や鉄道の利便性向上によって、高速交通空白地としての課題が解消されつつある。このため航空利用は、鉄道や自動車などの他の交通手段との厳しい競争に晒されている。さらに近隣の鳥取空港には羽田への直行便が就航しており、但馬地域北部の香美町や新温泉町へのアクセスは、羽田便のない但馬空港よりも鳥取空港の利便性が高く、空港間競争にも直面している。
 さらに機能面では滑走路の短さ(1,200m)から、就航可能な機材が小型プロペラ機に限定されてしまい、ジェット化や新路線開設による需要開拓が極めて困難な状況となっている。加えて、但馬空港は山間部に位置し、霧などの気象条件の影響を受けやすく、離島路線を除けば国内で最も就航率が低い水準にある6)。このことは航空利用の定時性や利便性を損なう深刻な要因となっている。
 このような課題を受けて、但馬空港の機能維持と利用促進を目指して、兵庫県および但馬地域の3市2町は、多様で継続的な公的支援を実施してきた。先述したJACへの航空機の無償貸与もその一つである。さらに、但馬空港推進協議会による地域住民や但馬地域でのビジネス来訪者などに向けた運賃助成策がある。助成額は片道最大6,300円になる場合もあり、この制度により、鉄道や高速バスよりも安く航空便を利用できる状況を生み出している。さらに航空機の就航率の低さを補うため、欠航時には代替バスや乗合タクシーの手配・費用補助といった支援が行われており、利用者の不便を最小限に抑える工夫がなされている。
 これらの支援策によって年間利用者数はコロナ禍前の2018年度には4.2万人を超え、コロナ禍後では、2023年度に3.87万人、2024年度はやや減少するも3.54万人まで回復している。


 3) 兵庫北部の但馬地域は、豊岡市、養父市、朝来市、香美町、新温泉町の3市2町から成り、人口は約14万3千人程度である(兵庫県推計人口:2025年11月1日時点)。

 4) 同路線以外はリース契約である。

 5) 混合型コンセッション方式とは、空港運営費用を利用料金収入だけで賄うことが困難な、相対的に需要規模の小さい空港運営に適した手法である。

 6) 兵庫県の提供資料では、就航率90.7%(2023年度)となっていた。



3.但馬地域における二次交通の現状

3.1 但馬地域における公共交通の現状

 但馬地域の広域幹線交通には、航空と鉄道がある。鉄道はJR山陰本線(京都-幡生間)とWILLER㈱の運営する京都丹後鉄道宮豊線で、この2路線は豊岡駅で接続している。また、JR山陰本線の城崎温泉駅(豊岡市)は但馬地域の観光拠点となっている。さらに、朝来市の中心にあるJR山陰本線の和田山駅は、JR播但線(姫路-和田山間)と接続している。
 幹線交通を補完する二次交通には路線バスがあり、全但バス㈱が但馬全域で、㈱ウイング神姫が朝来市南部で、豊岡(豊岡市)、八鹿(養父市)、和田山(朝来市)を拠点に放射状に運行している。さらにバス路線廃止地域や交通不便地域では、住民の生活交通確保を目的に、市町運営によるコミュニティバスや乗合タクシー、またはNPO主体などによる自家用有償旅客運送が、定時定路線型および予約(デマンド)型によって運行されている。
 例えば豊岡市では、市内の主な拠点間輸送を全但バスが担っている。2003年からは、中心部の賑わい創出を主な目的に、市の依頼により全但バスが市街地循環バス「コバス」を南北2ルートで運行している。さらに2008年からは不採算を理由に廃止されたバス路線において、市の運営するコミュニティバス「イナカ―」が4路線(2025年10月1日現在)、さらに2011年からは「イナカ―」廃止路線や交通不便地域において、事業主体を市、運営主体を住民組織とするボランティア輸送での「チクタク」が4路線で運行している。
 各市町では移動手段確保からコミュニティバスを運行させているものの、運行本数あたりの利用者数が年々減少傾向にあり、収支率も11~19%、3市2町による合計負担額も約2億8千万円(2019年度数値)7) となっている。
 各市町では公共交通の確保・維持に努めている一方で、但馬地域の世帯当たり平均自動車保有台数は2.03 8)、つまり1世帯あたり平均2台以上保有している状況にある。また平成22年度近畿圏パーソントリップ調査によると、但馬地域全体の平日の交通手段分担率は自家用車73%に対して、鉄道とバスを合わせた公共交通の分担率は僅か4%、さらに休日では自家用車が79%、公共交通が3%となっている。このことから、但馬地域は地方部に典型的なクルマ社会であると推測できよう。


 7) 「但馬地域公共交通計画(令和4年3月)」、p. 28参照。

 8) 上記資料、p. 8参照。数値は平成27年度現在。自家用車は乗用、軽自動車のうち四輪乗用・四輪貨物の合計である。



3.2 但馬空港における二次交通

 但馬空港からは、航空便の離発着に合わせてJR豊岡駅(約15分)とJR城崎温泉駅(約40分)とを結ぶ連絡バスが2往復運行されている。これを逃すと、タクシーを予約して移動することになる。自家用車を駐車場に無料で停めて航空便を利用することも可能である。または来訪者で航空便利用の場合、事前予約でレンタカーを利用することもできる。しかし、免許および自家用車を持たない来訪者にとって、空港からの二次交通は連絡バスかタクシーに限られる。さらに、空港を拠点に但馬地域の各観光地へ移動しようとする場合は、限られた路線バスと運行本数により、自由な観光が難しくなっている。
 但馬地域を周遊できる二次交通として、「夢但馬周遊バス:たじまわる」が季節ごとに異なるコースを運行している9)。「たじまわる」は、但馬観光協議会や但馬空港推進協議会の支援により、1日500円で但馬地域の主要観光地をガイド付きで周れるお得なサービスとなっている。空港を経由するコースには、通年運行の「たじまわるプレミアム号」がある。季節により若干のコース変更はあるものの、JR城崎温泉駅を出発して、伊丹への航空便にあわせて但馬空港に到着し、そのまま「コウノトリの郷公園」や「城下町出石」、「竹田城跡」などを周り、再び空港に到着した後に城崎温泉へ向かうというコースになっている。しかし「たじまわる」は、観光需要の多い土日祝日限定での運行で、かつ事前にコースが決まっているため、平日観光や自由度の高い観光を求める人には、利用しにくいサービスとなっている。そのためか、認知度の低さとともに、空港利用者が無料で利用できるキャンペーンを実施しても利用者数増加につながらず、全利用者に占める空港からの利用者は約7%程度(2025年4月実績値)となっている 10)。このことから空港における二次交通としては十分に機能していないことが分かる。
 さらに全但バスへのインタビューからは、ドライバー不足が顕在化する中、生活バス路線の維持を優先すると、観光路線サービスは縮小傾向とせざるを得ない状況や、公的補助金のみでは近年の燃料費や人件費の高騰を吸収できずに赤字覚悟の運行という厳しい実情がうかがえた。


  9) 他、全但タクシー㈱の「夢たじま観光タクシー」がある。これは事前予約により、設定コースを中型タクシー1台貸切でコースごとに設定された価格(最安値のコースは3時間1万円)で周遊するサービスである。

 10) 豊岡市都市整備部都市整備課へのインタビュー調査より。



4.新しい移動支援サービス:豊岡市竹野地域の事例

 一方で、空港の二次交通ではないものの、新しい移動支援サービスも展開されている。これは、自治体運営のコミュニティバスの有効性や、住民組織でのボランティア輸送による運行の安全性や安定供給の欠点を補うことを目的とするもので、竹野地域では2025年10月に新しい住民向けの予約型乗合交通「たけの~る」が誕生した。
 「たけの~る」は、竹野地域の竹野・中竹野地区と竹野南地区の2つのエリア内127箇所 11)に設置された停留所と、両エリア内の各停留所から豊岡市街地の3箇所(JR豊岡駅や大型商業施設など)を結ぶ区間で、平日7:00-19:00、土曜日8:00-14:00で予約に応じて運行されるサービスである。これは、全但バスが運行管理を担い、地元住民がドライバーとなって市提供のミニバンタイプの乗用車3台を運行する手法で、全国初のバス会社による日本版ライドシェア事業の試験ケース 12)として注目されている。エリア内の乗車は一律300円、2つのエリア間を乗車する場合は一律500円、豊岡市街地へ乗り入れる場合は一律1,000円となっている。
 このような停留所間を自由経路で運行する乗合型デマンド交通は、タクシー事業者が運行主体となり、タクシー車両とドライバーを用いて運行する手法として全国に普及しているものの、バス会社が運行主体となるケースは全国初となる。竹野地域にはタクシー事業者が存在せず、このような仕組みとなった。また、これは自家用有償旅客運送の仕組みを用いているものの、豊岡市の住民組織が運行管理を行う「チクタク」と比べて、交通事業のプロであるバス会社が運行管理を行うことで安全性の向上が期待できる。また、住民ドライバーの確保と定着を目指して、この事業ではドライバーをボランティアとしてではなく、固定シフトと時給制による従業員として全但バスが雇用する仕組みを導入しており、現時点で12人のドライバーを確保できている。車両は市の、燃料費は全但バスの負担となり、ドライバーは自己負担なく業務可能である。
 事業スタートから1か月間で339人、1日平均で約12人の輸送実績となった。利用者の平均年齢は約67歳で、高齢者が主な移動手段として活用している実態が明らかになった。さらに、全利用者の約半数が、身体障がい者手帳や療育手帳などの手帳保持により運賃が割引対象となる利用者であった。この比率は従来の路線バスよりも高い結果となった。このことから、従来型の路線バスを使いにくく感じ、家族や知人の送迎に頼らざるを得なかった層が「たけの~る」の主な利用者となっていることが分かる。特に、バス停までの移動や乗降が困難だった層にとって、より自宅近くまで運行する「たけの~る」は、移動のハードルを下げ、移動を半ば諦めていた層の潜在需要を掘り起こし、新しい移動機会を創出していると評価できる。またインタビュー調査によると、地域住民からは「利用したい時間帯に利用できるようになった」、「非常に便利になった」との声が多く寄せられているとのことである。
 このように住民の移動の利便性は高まったものの、事業自体は赤字での運営となり、市からの補助によって運行が可能となっている。ただし、大型バスを運行するよりはコストが削減できているとのことである。


11) 正確には、香美町相谷区2箇所を含めると129箇所。

12) 道路運送法第78条3号に基づく自家用有償旅客運送による運行。



5.「地域公共交通計画」における空港二次交通の位置づけ

5.1 「地域公共交通計画」とは

 わが国では、人口減少の進行などにより、従来のように民間交通事業者が公共交通を収益事業として担う構造の維持が困難となっている。また、地域における移動手段の維持・確保は、交通分野にとどまらず、観光、教育、福祉など多様な分野に波及的な効果をもたらす横断的な課題であるとの認識が広まりつつある。こうした背景のもと、2007年に施行された「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律(以下「活性化再生法」)」により、「地域公共交通計画」が定められた 13)
 地域公共交通計画は、いわゆる地域交通のマスタープランとして位置づけられるものであり、地域の社会・経済の基盤を支える重要な役割を担う。こうした理解に基づき、2020年5月に活性化再生法が改正され、全ての地方公共団体において地域公共交通計画の策定が努力義務化された。
 以上の性格を踏まえれば、本稿で焦点を当てる地域空港における二次交通が当該地域の交通体系や地域振興施策のなかでどの程度に重視されているか把握する手がかりとして、地域公共交通計画を活用することができるであろう。とりわけ航空需要が限定的である地域空港では、民間事業者が自発的に空港二次交通を提供するインセンティブは乏しく、自治体による関与の度合いがその安定的確保に大きな影響を与えると考えられる。


13) 国土交通省(2022)。



5.2 但馬地域における「地域公共交通計画」

 但馬空港の所在自治体となる豊岡市の公共交通計画は、2016年に策定された「豊岡市地域公共交通網形成計画」から、現在では2022年に策定された広域的な「但馬地域公共交通計画」に一本化されている。これは、地域における人口減少や高齢化が進むなかで、市単独ではなく但馬地域全体(3市2町)で広域的に公共交通を支える必要性が高まったことを背景としている。
 具体的には、これまで路線バスやコミュニティバスの運行は各事業者に委ねられ、相互の連携や情報交換の機会が不足していたこと、加えて但馬地域では豊岡市を中心とした市町間の移動が多く、観光利用を含めた広域的な移動需要に応えるためには、鉄道・高速バス・空港といった交通拠点を中心とした広域的な公共交通ネットワークの整備が求められること、が問題意識として存在したためである。
 但馬地域公共交通計画は、「住民のくらしと広域的な交流を支える公共交通の実現」をビジョンとして掲げ、その基本目標を、①地域住民のくらしを支える移動手段を確保する、②誰もが公共交通を使いやすいようにする、③観光・交流を支える、④地域で公共交通をまもる、の4点に定めている。このうち、目標③に対する基本施策のひとつに「広域的な公共交通ネットワークの充実」が挙げられており、そのなかで「空港へのアクセス交通の充実」が明記されている。
 その内容は、但馬空港への高速バス乗り入れや、路線バス、コミュニティバス、デマンド型乗合タクシー等による二次交通の充実によるアクセス改善を図ること、さらには但馬空港を拠点とした広域周遊観光ルートの形成を図る、ことが盛り込まれており、具体的な検討項目としてMaaSを活用したデマンド型乗合タクシーの導入が挙げられている。その事例として、2021年に開始された全但バスによるデマンド型乗合バスの実証実験が紹介されている。しかしながら、3.2節で述べたとおり、この取り組みは、現時点では空港の二次交通としては、その機能が十分に発揮されているとは言い難く、その役割は依然として限定的であるという課題が残されている。
 こうしたなか、豊岡市に対する筆者らのインタビュー調査によると、但馬地域公共交通計画では空港の二次交通について具体的な施策や数値目標を伴う計画に至っていない現状を踏まえたうえで、来年度に予定されている計画の中間見直しにおいて、但馬空港の二次交通に関する内容を具体的に盛り込むことで、二次交通に関する計画上の位置づけが一層強化される可能性が指摘された。
 とくに将来構想の中核をなす事業のひとつに、全但バスの車庫機能を含む営業所を但馬空港の敷地内に移転させる計画があり、これが実現することで、但馬空港は地域における重要な交通結節点として機能することが期待される。
 空港がバス交通の拠点となることで、これまで相互に分離していた航空、バス、自家用車といった交通モードの連携が促進されると考えられる。但馬空港と豊岡駅、さらには地域の生活拠点や観光地を結ぶシームレスな交通ネットワークが形成されることにより、但馬空港における二次交通を取り巻く諸課題が抜本的に解決されることになるであろう。



6.二次交通の機能強化における自治体の役割

 前節で述べたように、航空需要が限定的な地域空港では、民間事業者が自発的に空港二次交通を提供するインセンティブは乏しく、自治体による関与が極めて重要と考えられる。地域公共交通計画において空港二次交通がどのように位置づけられ、どのくらい具体的に記述されているか確認することで、その後の施策展開の方向性を適切に見定めることが可能となるであろう。
 実際に、「但馬地域公共交通計画」では、但馬空港について「空港へのアクセス交通の充実」を掲げているものの、これを実現するための具体的施策については、必ずしも十分に踏み込んだ記述がなされていない状況が確認された。これを踏まえて、今後の将来構想では、バス営業所の移転により但馬空港を地域の交通結節点として位置づける施策が検討されていることは、すでに述べたとおりである。
 国土交通省(2022)によると、地域公共交通計画の作成には、地域によって実態が異なる地域公共交通について、当該自治体が「地域の現状を見て・聞いて・触れて理解した上で、データ等を使って課題を整理する」必要があると述べられている。すなわち、地域公共交通計画の作成により、地元自治体による現状理解と課題の把握、交通事業者や地域住民をはじめとする関係者間の連携強化、さらには課題解決のための統計整備などが、その効果として期待される。
 こうした点を踏まえると、地域公共交通計画は、その作成過程における関係者間の調整等を通じた全体最適化を図るうえで、地域の自治体がリーダーシップを発揮することが不可欠な前提となる。したがって、空港二次交通の機能強化においても、地域公共交通計画に基づきこれを実施するかぎり、こうした役割を地元自治体が十分に認識し、主体的に関与していくことが重要であるといえよう。



7.おわりに

 本稿では、地域活性化の要となる地域空港を利活用するうえで二次交通の整備が重要であるとの問題意識に基づき、地域公共交通計画を手がかりに自治体の役割を明らかにした。
 ケースとして取り上げた但馬空港では、地域公共交通計画において空港アクセス交通の充実が明記される一方で、その具体的施策については必ずしも十分に踏み込んだ記述がみられない状況が確認された。しかしながら、こうした状況を自治体として認識したうえで、新たな具体的施策の実施が検討されていることから、これを地域公共交通計画の有用性と捉えることができるであろう。
 地域公共交通計画の作成において、自治体によるリーダーシップの発揮が、その前提となることから、民間事業者による自発的なインセンティブが乏しい地域空港の二次交通ではなおさら、自治体による主体的な関与が特に重要であることを強調して、本稿の結びとする。



*本稿執筆にあたり、2025年11月4日に、10時30分から豊岡市にて都市整備部都市整備課、さらに14時00分から全但バス株式会社本社で、各々約1時間半のインタビュー調査を実施しました。インタビュー調査およびデータ提供において多大なる支援を頂きました。ここに記して感謝の意を表します。なお、あり得べき誤謬は、筆者らの責に帰するものです。



参考文献・参考資料

  • 毛海千佳子・横見宗樹(2024)「地域空港の利用促進に向けた自治体支援の実態:兵庫県但馬空港のケース」、『KANSAI空港レビュー』、 第550巻、2024年9月号。
  • 国土交通省「地域公共交通計画等の作成と運用の手引き」(2022年3月)。
  • 兵庫県・豊岡市・養父市・朝来市・香美町・新温泉町「但馬地域公共交通計画」(2022年3月)。
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