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各界の声

新たな時代を迎えた関西3空港

宇野 文章 氏

兵庫県土木部長


 このたびの飛行経路の見直しにより、関西国際空港では1時間あたりの発着可能回数が45回から60回に増えました。神戸空港では1日の発着可能回数が80回から160回に増え、うち40回は、2030年前後に運用が開始される国際定期便での活用が予定されています。 

 新しい飛行経路は、本県の淡路島上空をこれまで以上に飛行する経路となっています。県では、地域の皆さまの不安に寄り添うため、国土交通省の参画も得ながら、淡路島3市や関西エアポート株式会社、新関西国際空港株式会社等を構成団体とする「関西国際空港及び神戸空港の飛行経路に係る淡路地域協議会」を設立し、騒音測定地点を増設するなど、環境監視体制を強化しました。現状、大きな混乱は見られませんが、引き続き、関係の皆様の協力を得ながら、運用状況を注視していきます。

 大阪・関西万博も開幕し、ますます拡大する航空需要を受け容れながら、関西3空港は新たなステージへと進展しています。

 昨年開港30周年を迎えた関西国際空港は、年間30万回の発着にも対応可能な第1ターミナルのリノベーションが3月に完成し、グランドオープンを迎えました。昨年度の外国人旅客数は過去最高の1,983万人を記録するなど、順調に成長しています。

 今年2月に通算旅客数5,000万人を突破した神戸空港では、4月に第2ターミナルビルの供用が開始され、国際チャーター便の運航が始まりました。韓国、台湾、中国の各都市と結ばれ、将来の国際定期便運航に向けて、大きな一歩を踏み出しています。

 伊丹空港においても、4月から新たな遅延便対策として「夜間騒音抑制料」を設定し、徴収した料金を空港周辺地域の生活環境の改善等に活用するなど、環境負荷軽減と旅客の利便性向上の両方を目指した取組みが始まっています。 

 本県は、関西全体の発展のために、新たなステージに入った関西3空港を最大限に活用していくべきだと考えています。それぞれの空港の特徴を活かしながら、国内外のお客様のニーズを掴み、拡大する航空需要を獲得していく、そのために何をすべきなのか、運営権者である関西エアポート株式会社の経営判断を尊重しながら、関西3空港懇談会で議論を深めていきたいと考えています。

 ところで、兵庫県には伊丹空港、神戸空港の他に、もう一つ空港があります。コウノトリ但馬空港です。関西国際空港と同い年で、昨年開港30周年を迎えました(実は私も結婚30年の真珠婚式を迎えました)。伊丹空港経由で首都圏や全国各地と結ばれている空港です。但馬地域は、雲海に浮かぶ天空の城「竹田城跡」、世界ジオパーク認定の「山陰海岸」や「玄武洞」、外湯めぐりの「城崎温泉」など様々な観光スポットを有し、但馬牛や松葉ガニなど食べ物が美味しいことでも有名です。兵庫にお越しの際は、是非、伊丹~但馬便を利用し、但馬にもお越しください。
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